2. 手足の力が抜ける・動かしにくい … どんな場合?
2-1. 手足の力が抜ける … どんな場合?
「力が入らない=運動神経の障害」とは簡単には言えません。痛みにより力が入らないことはあります。例えば、膝の痛みのために、階段を上ろうとした時に膝が痛くて足に力が入らない、或いは力を入れようとしたら力が抜けた、などは、皆さんご経験されたことがあるかと、思います。しかし、痛みはあまりないのに、手足の力が抜ける(力が入らない)様な時は、運動神経に障害が起きている場合があります。特に、突然力が入らなくなる場合や半日の間に力が入らなくなってくる場合では、脳梗塞による場合や運動神経そのものの障害である場合があります。どちらも、救急的な対応が必要となる場合が多いので、我慢しないで、急ぎ受診する事が必要です。なお、高齢者で脱水が潜在している状態(つまり、脱水の状態にあるのに見た目には脱水があるとは思えない様な状態)で長時間同じ姿勢をしていて、筋肉が障害を受けて手足が動けなくなる場合があります。例えば、飲酒後の酒酔い状態で、廊下などの硬い上で長時間同じ姿勢で寝ていた時などは、硬い面に接していた筋肉が障害を受けて、動けなくなる、などの場合です。
2-2. 手足が動かしにくい … どんな場合?
突然に起きた場合や半日から一日の間に起きてきた場合については2-1に記載しました。しかし、数週間から数ヶ月間かけて動きにくくなってきた場合は徐々に運動に関係する神経の障害が起きてきていることを示しています。この時、痛みが関係して力が入りにくい場合は、自然に痛みが関係していると分かるから、除外できます。そして、この「動きにくさ」がある程度でストップしているのか、ストップすることなく進行しているのか、さらに、ある時は手が動きにくいのに、しばらくすると足も動きにくくなってきた、というのでは、背後に潜んでいる病気が異なります。また、起きた時は元気なのに夕方になるにつれて力が入りにくくなったりタ方になると疲れやすくなる様な場合、緊急性はないにしても、早急に原因を突き止めることが大事な症状です。遠慮無く受診して下さい。