1. 手足や身体が痛む … どんな場合?
1-1. 手足が痛む場合
多くの場合は、手足の筋肉や腱の過剰使用などで炎症を起こした場合です。時には、筋肉そのものが崩壊して痛みを感じたり(横紋筋融解症)、傷口からばい菌(細菌)が入って(感染して)そのために痛みが生じる場合もあります。それ以外に、痛みを伝える感覚神経そのものが障害を受けて、手足には障害がないのに、「痛み」を感じる場合があります(糖尿病性末梢神経障害など)。その他に、頚椎や腰椎の椎間板ヘルニアにより感覚神経に炎症や障害が起きる場合も痛みを感じます。
1-2. 身体が痛む場合
背筋の筋肉痛や背骨(この場合、胸椎)のヘルニアで痛みが起きる場合や、胃腸などの消化器の障害で起きる痛みが多いのですが、そういう場合は、背筋の痛みや「おなかいた」として「なんとなく」理解できる場合が多いと思います。例えば、「運動しすぎて背中が痛い」とか、「食べ過ぎておなかがゴロゴロなっている」など、です。しかしヤヤコシイ場合もあります。例えば、消化器が原因の痛みでも、逆流性食道炎などでは胸部痛が生じて心臓の障害による痛みと間違えたり(こういう思い違いは実際あります)、咳が出て気管支症状と間違えることがあります。反対に、「みぞおち」に痛みが起きて、「おなかいた」だと思っていたら心臓の障害だった、という場合もあります。また、胸部の痛みは心臓の病気のように思いがちですが、肋骨や肋軟骨の炎症の場合もあり、厄介です。ところで、突然起きてきた胸部や腹部の痛みの中には胸部大動脈や腹部大動脈など大血管の障害による痛みの場合があり、そのような場合は、救急対応が必要になってきますので、「変に」我慢しないで早めに受診することをお奨めします。ですから、胸やおなかが痛くなった時は、循環器系・消化器系のお医者さんを受診されても良いし、判断が付かない時は、当院を受診されてもかまいませんが、我慢して受診を遅れないようにして下さい。